聖霊降臨後最終主日（１１月２６日）「神のまなざし」

25:34 そこで、王は右側にいる人たちに言う。『さあ、わたしの父に祝福された人たち、天地創造の時からお前たちのために用意されている国を受け継ぎなさい。25:35 お前たちは、わたしが飢えていたときに食べさせ、のどが渇いていたときに飲ませ、旅をしていたときに宿を貸し、 25:36 裸のときに着せ、病気のときに見舞い、牢にいたときに訪ねてくれたからだ。』25:37 すると、正しい人たちが王に答える。『主よ、いつわたしたちは、飢えておられるのを見て食べ物を差し上げ、のどが渇いておられるのを見て飲み物を差し上げたでしょうか。 25:38 いつ、旅をしておられるのを見てお宿を貸し、裸でおられるのを見てお着せしたでしょうか。 25:39 いつ、病気をなさったり、牢におられたりするのを見て、お訪ねしたでしょうか。』　　　　　　　　　　　　　　　　  マタイによる福音書２５：３４～３８

【説教要旨】　　　　　　　　「神のまなざし」

今日をもって教会の暦が閉じられます。この一年、牧師生活45年、よくここまで歩んできたということを実感しています。

終わりの時の審判について記されています。「人の子は、栄光に輝いて天使たちを皆従えて来るとき、その栄光の座に着く。そして、すべての国の民がその前に集められると、羊飼いが羊と山羊を分けるように、彼らをより分ける」。

右と左に分ける根拠は『さあ、わたしの父に祝福された人たち、天地創造の時からお前たちのために用意されている国を受け継ぎなさい。お前たちは、わたしが飢えていたときに食べさせ、のどが渇いていたときに飲ませ、旅をしていたときに宿を貸し、裸のときに着せ、病気のときに見舞い、牢にいたときに訪ねてくれたからだ。』　というのです。

－１－

しかし、宣言された本人は自分がしたことに気づかずにいるということです。「すると、正しい人たちが王に答える。『主よ、いつわたしたちは、飢えておられるのを見て食べ物を差し上げ、のどが渇いておられるのを見て飲み物を差し上げたでしょうか。

いつ、旅をしておられるのを見てお宿を貸し、裸でおられるのを見てお着せしたでしょうか。 いつ、病気をなさったり、牢におられたりするのを見て、お訪ねしたでしょうか。」。ここで注目したいのは天国に入れるかどうかということを気づかずにいるということです。私たちが常に意識し、これをすれば天国にいく、だからこうするのだというのではないのです。びくびくした生き方でなく、自由奔放に生きつつなおその生き方が天国に行くことができるような生き方になっているというのです。基本があって、それが身についているということです。意識しなくても体が，意識がそうさせるというのです。

基本はというと「そこで、王は答える。『はっきり言っておく。わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである。』」という言葉が示しています。「わたしにしてくれた」という後半の言葉に耳を傾けたいのです。私たちのひとつひとつの行いにイエスが共にいてくださるということです。それはマタイが教えてくださるようにイエス・キリストの強いメッセージが事実となっているということです。

見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」この名は、「神は我々と共におられる」という意味である。

「イエスが共におられる」という信仰において、私たちは、知らず知らずのうちに、主のみ心を行える存在となっているということです。神はいつも共にいてくださり、私たち一人一人を見ていてくださる神のまなざしです。神のまなざしこそ、私たちを「わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである。」という者にしてくくださるのです。

－２－

いと小さき者と共に生きたマザー・テレサさんは、「わたしの中でキリストは働きます。わたしの中でキリストは考えます。わたしの目を通してキリストは見つめます。わたしのことばを通してキリストは語ります。わたしの手でキリストは働きます。わたしの足でキリストは歩きます。わたしの心でキリストは働きます」というのです。もはや生きているのは、私でなく、わたしと共にいてくださるキリストであり、キリストのまなざしが私たちに注がれているのです。

15年間、幼稚園の子どもたちともに歩んで、どこから切っても金太郎という飴のように、子どもたちとの歩みはどこから切っても、そこには、神のまなざしがあり、神に愛された日々であるという事を伝えてきたつもりです。神に愛されているという神のまなざしを子どもたちが全身で受け留め、神が私たちをいつも思ってくださっているように、自分だけでなく友だちをいつも思う心を与えられ、「すると、正しい人たちが王に答える。『主よ、いつわたしたちは、飢えておられるのを見て食べ物を差し上げ、のどが渇いておられるのを見て飲み物を差し上げたでしょうか。いつ、旅をしておられるのを見てお宿を貸し、裸でおられるのを見てお着せしたでしょうか。 いつ、病気をなさったり、牢におられたりするのを見て、お訪ねしたでしょうか。』」と「いつ」と神に語れる子どもたちになってもらいたいのです。パウロは「生きているのは、もはやわたしではありません。キリストがわたしのうちに生きておられるのです」という一人一人が感じ、キリストがわたしの目を、手を、足を、心を動かしてくださり、自由に生き生きとした歩みが出来るこどもであって欲しいと願っています。わたしの中でキリストは働きます。わたしの中でキリストは考えます。わたしの目を通してキリストは見つめます。わたしのことばを通してキリストは語ります。わたしの手でキリストは働きます。わたしの足でキリストは歩きます。わたしの心でキリストは働きます。

－３－

牧師室の小窓からのぞいてみると

　羽生結弦選手夫妻が、誹謗中傷、マスコミの過剰報道ストーカー行為で苦しみ、耐え得なくて、相手の方を思って離婚をされたという衝撃な心痛むニュースが入って来た。それが、人間が作ったコンピュータ技術、そしてＷＥＢ技術の発達でさらに人の心を辛くしたのではないだろうか。

生き辛い時代である。だから、「自分を愛するように隣人を愛しなさい」という良心が問われていく時代だと強く思った。

　園長・瞑想？迷走記　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

天使は、マリアのところに来て言った。「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる。」ルカによる福音書１：２８

イエスさまの誕生日をお祝いするクリスマスの月になりました。上の聖書の言葉は、天使がイエスさまが生まれる前にお母さんのマリヤのところにあら

われて、告げた言葉で、「おめでとう、恵まれた方。」と祝福をしてくださいました。

みなさんのお子さまも生まれるとき神さまは天使をおくって、「おめでとう、恵まれた方。」と祝福をくださっています。子どもたちは、神さまにたくさんの恵みをいただいて、大きくなるんだよと神さまは約束されています。

日本で数例しかない大変な病気をもって生まれた女の子が豊田時代の教会にいました。お母さん、お父さんは心が暗くなりました。でも大変な病気というだけで不幸なのかというと聖書は、「おめでとう、恵まれた子」だと天使は告げるのです。牧師さんはこの大変な病気をもって生まれた子に「めぐみ（恵）」という名前を付けました。めぐちゃんの存在は教会を、家庭を明るくしてくれました。夫妻はめぐちゃんのために福祉施設を作り、お兄ちゃんは福祉を、弟は看護学の勉強をしました。家族に未来を示し、整えたのです。子どもの誕生の日には、神さまは恵みをたくさんくださり、大切な存在であるということがクリスマスの大切なメッセージなのです。クリスマスおめでとうございます。（12月の「園だより」より）

－４－

日毎の糧

聖書： 生涯の日を正しく数えるように教えてください。知恵ある心を得ることができますように。詩編９0:１２

ルターの言葉から

　　　よく死ぬことは、喜んで死ぬことである。喜んで死ぬことは、信仰によってもたらされる。信仰による実がよい死をもたらすのである。一人の恵み深い神をキリストを通じてもっていることを信じている者は喜んで死ぬ。なぜなら、彼は自分がどこへ行くかを知っているからである。また、隣人に対して正しく振舞い、自分がその人にしてほしい通りに行う者は、うまくいかないはずがないのである。　　　　　　　　　『マルティン・ルター日々のみことば』鍋谷尭爾編訳　いのちのことば社

たとえそうであっても

　小説家・椎名麟三は、イエス・キリストに捉えられキリスト者となった。たとえ酔っ払いの自分（椎名氏）がどぶ板を踏み外して顔をどぶに埋めて惨めな死を迎えても善しということを書いていたことを今でも思い出す。キリストに捉えられるという事はここまで言い切れるのだということこそ、「生涯の日を正しく数えるように教えてください。知恵ある心を得ることができますように。」という祈りであり、知恵である。「人生がいかにはかなくとも、人間はなお永遠の神の意思に生かされている。そう知るところに聖書の『知恵』がある。」と月本氏は詩編を解釈している。

神のなされることは皆その時にかなって美しい。神はまた人の心に永遠を思う思いを授けられた。それでもなお、人は神のなされるわざを初めから終りまで見きわめることはできない。　　　　　コヘレト３：１１

私たちの生涯は自分の思うようにはいかないものだが、たとえそうであっても神は愛であるという永遠の神の意思に生かされていると私の日々を数えていくことが許されている。　たとえそうでなくても。

祈り：神の愛の永遠の意思に生かされている日々を数えていく者となりますように。

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大森通信 ５．日々　　 別府時代に私の就任前に、引退者住宅があり、二家族の方がおられた。Ｗ牧師さんは、広島で被爆した病弱なお嬢さんと早朝に教会に来て、お二人で外回りの掃除して、牧師が起きる前に引き揚げていたということを聞いた。もう一人のＳ牧師夫人は、教会の雑草を黙って綺麗に抜いて掃除をして下さった。 ブラジルから日本に帰国し、名古屋の繁華街を歩いているとそこにある寺の周囲を掃いている外人の修行僧の姿を見て、感動した。静岡の教会時代、お父さんの世話をする前に毎朝、寄ってくださり会堂を掃除して下さる方と一緒に掃除をし、祈り会をして楽しい時間を過ごした。教会の掃除をしてくださる多くの方との出会いがあった。この方々との出会いがあり、大森に来た。この頃は、早朝、7時半から園児、保護者がやってくる。この方たちが気持ちよく幼稚園に入ってこられるようにと思い、朝の掃除をするようにしている。今、日々、掃除が出来て感謝している。掃除をしながら感謝の気持ちで満たされている。 引退して、続ける場所があるだろうか。理想は、別府時代のＷ牧師のように明け方に教会に行き、掃除をし、夕刻、あの外人の修行僧のように掃除をして一日の一ページを天に召されるまで塗りつぶしたい。それが引退後の夢である。

（大森日記）土）召天３年目の記念会。記念会を大切にしていきたい。お子さんは家庭教師のお教え子。その子に子ども。時は瞬く間に過ぎる。日）クリスマスの準備。とくにイブ礼拝の打ち合わせ。礼拝後、教文館に聖壇の蠟燭を買いに行く。月）11月の最終週にむけて準備の時としている。火）12月の月予定表、Ｔ姉の召天記念日の礼拝式文の作成、ルーテル幼稚園設置者・園長会。予定より2時間を越す話しあい。幼稚園が置かれている位置は厳しい。水）幼稚園の誕生会。家内がケーキを作ってくれる。後、4回だと思うと美味しい。午後から羽村幼稚園。木）祝日。Ｔ姉の召天一年の記念会。まだ、ここにいるようだ。金）印鑑証明を取りに行くだけにも疲れを覚える。コロナ禍で開かれず４年ぶりの夕刻からルーテル幼稚園・保育園の職員クリスマス会。みな安堵の顔。